【Q&A】金融業者はどういう方法でなりすましを見破ってるの?
Q.私はOLとして働いていますが、カードローンもちょこちょこ使っています。借金は怖いので、あまり高額の利用はしないんですけどね(笑)。これを使い始めて、便利なのは便利なんですけど、こういう借金を他人に悪用されたらって思うとヒヤッとします。だって今使っているカードローンだって、審査に通ってしまえば後はもうノー審査ですし。知り合いとかに話を聞く限り、そういった「なりすまし」って言うんですっけ?犯罪、あるみたいですね。単純に興味もあるんですけど、金融機関の人達ってどうやってそういうのを見破ってるんですか?何か秘密の方法とかあるんですか?
A.秘密の方法っていうほどのものではないかなぁ(笑)。ああでも、どういう基準でなりすましに対抗しているかって手段が赤裸々になっちゃったら、それ対策を立てられてまた別の対策を講じなくちゃならなくなるから、まあそういう意味で言えば秘密の方法ってことにもなるのかな(笑)。
そうは言っても、別に特殊な機関とつながりがあって本人の素性を密かに調べ上げているとか、そういうSFな話ではないんだよ。あくまで現実的な方法で本人確認を行っているのさ。素人が他人のなりすましを見破るのは難しいと感じるんじゃないかと思うけど、金融機関はプロだからね。長年の実績があれば、だいたいどういう点に気を付ければいいかわかってくるもんなのさ。ささいな振る舞いを手掛かりにしてなりすましを見破った例とかもあるんだよ。
たとえばね、融資の申請に来た相手に申込書を書かせたりするよね?そのとき、当然住所とか生年月日とか、ごくごくありふれた基本情報の記載欄もあるわけだけど、そのとき、個人にとっては当たり前すぎるであろう情報を記入するときにすら、申請者がいちいちメモを見ながら記入していたりすると、金融機関は「おや……?」と思ったりするわけだよ。現住所はまだわからなくもないけれど、自分の生年月日をド忘れする人なんてそうはいないだろ?借入は未成年だと利用できないんだから、最低でも20年以上の付き合いであるはずの個人情報なんだよ。ましてそんな情報をド忘れしたときのために、自分の生年月日をメモして持ってくるなんて人はいない。すなわち、「この人はなりすましをしようとしているのでは?」という疑いがここで発生するわけなんだ。
こういう風にして金融機関はなりすましに対抗しているんだよ。他にも年の近い同性兄弟姉妹が別の兄弟姉妹の保険証を持ち出してきて、その相手に成り代わって借入をしようとするケースもある。これも立派ななりすましだよ。こういうときも言動や挙動と記入した個人情報が微妙に噛み合わなかったりすることが多いから、そういうものを糸口にして追及したりするんだ。
タネを明かしてしまえば意外と簡単なように見えて、相手がやっている審査はごくごく当たり前の話だからね。ひねりがない分、ごまかすのは案外難しいのさ。金融機関も当然警戒はしているんだし、他人になりすますっていうのは口で言うほど簡単なことじゃないんだよ。